Amazon新規出品での参入障壁(差別化)の作り方まとめ(商標など)
こんにちは、石山です。
他の競合セラーに参入障壁をつけて販売活動を行う
OEM商品の販売は、今のAmazonを攻略する上で
すごく結果が出る戦略です。
ですが、その「参入障壁」が甘いと、
他のセラーに相乗りされてしまったり、競争を生んでしまう事にもなりかねません。
というわけで
今回は「Amazon新規出品での参入障壁の作り方と注意点のまとめ」と題し、
「どのようにして参入障壁を作るのか」
「参入障壁を作る時に、これを知らないと逆に自分がピンチになる」
ことなどをまとめていきます。
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参入障壁とは何か?
「参入障壁」という言葉はこのサイトでも何度か使っていますが、
私たちが取り扱う商品と同じものを、
他の販売者が簡単に取り扱えないようにするための工夫を指します。
つまり「これは、簡単には真似できなさそうだな」
と他のリサーチしているセラーに思われるようにする事です。
どのような工夫があるかはこれから詳しくお話ししますが、
例えば高額の商品を扱うことも参入障壁になります。
1商品の売値が5000円で、仕入れが2000円くらいの商品だとして、
1日に20個、1ヶ月で600個売れるとすると、
1回の仕入れ(2.5ヵ月分)は、300万円です。
これだけ仕入れるためには、資金力も必要です。
なので、競合セラーは『うちは無理だな』
どうして参入障壁が必要なのか?
次に、どうして参入障壁が必要なのかについて。
これはAmazonのルールが関係してくるのですが、
Amazonにおいては、同じ商品であれば、
他の販売者が同時に出品してもOKというルールが存在します。
既にAmazonのサイト内に存在する商品カタログに
同じ商品を出品することを「相乗り出品」と言います。
相乗り出品はAmazonのサイト内で対象の商品を探し
「マーケットプレイスに出品する」というボタンをクリックすると
簡単に出品することができます。
相乗り出品をすると、他の販売者と一覧で並べられ、
価格で比較されることになります。
単純転売が価格競争になりやすいことは以前に記事でまとめましたが、実際にここでも価格競争が起こっていることがわかりますよね。そしてこうなると多くの場合には、価格が安いものに飛びつくのではないかと。
あとは、これを避けるために新しく商品カタログを作って新規出品する方もいるんですが、これはAmazonに見つかってしまうと警告され、相乗り出品をするように注意をされてしまうんですよ。
相乗り出品は転売だけではない
「でもオリジナルブランド商品なら大丈夫じゃないの?」と思いますよね?
しかし大丈夫じゃないんですよね、これが。
相乗り出品のリスクというのは転売の商品だけではなく、
OEM商品においても例外ではありません。
これはあなたが商品にブランドのロゴを入れていたとしても、
ロゴ無しで平気で相乗り出品をしてくる販売者がいます。
(※逆に言うと、それを逆手に競合をリサーチする方法もあります)
それだけではなく、仮に同じようなロゴを入れられてしまうと、残念ながらあなたのOEM商品だということを主張することは難しくなってきます。
相乗り出品は先ほど少しお伝えした通り、非常に操作が簡単です。
新規出品のやり方については過去の記事でまとめていますが、意外と手間がかかるんですよね。
でも、あなたが気合いを入れて売れる商品カタログを作ったとしても、相乗り出品されてしまうと売上を取られるような形になります。上記の例のように販売者が増えていくと価格競争が生まれ、せっかくのOEM商品の利益率はどんどん下がっていくことにもなりかねません。
そして仮にAmazonに違反の報告などをしたとしても、残念ながら現状はなかなか動いてくれないようです。
有効な参入障壁の作り方
では、どうやって参入障壁を作れば良いのかというと、理想的には2つ必要です。
①商品のオリジナル性を高める
②商標権を取得する
この2つがあれば、高い確率で相乗り出品を排除することができます。
では、それぞれ見ていきましょう。
①商品のオリジナル性を高める
まずは商品のオリジナル性を高め、「ライバルが相乗り出品を尻込みするようなクオリティ」を目指すことが参入障壁になります。
オリジナル性の良い例
具体的には、下記のようなものが挙げられます。
・商品そのものに、あなたのオリジナルブランドのロゴを入れる
・パッケージや箱にオリジナルブランドのロゴを入れた上で、しっかりと作り込む
・あなたの商品独自のセット品を用意する
これは実際にAmazonで販売されている商品などを参考にして頂ければと思います。上記のどれかだけではなく、可能であれば全ての条件を満たす、またはここに挙げた例以外のオリジナル性を追加して頂きたいところです。
オリジナル性の悪い例
対照的に、下記のようなものはオリジナル性を高められているとは言えません。
・オリジナルブランドのロゴが入ったシールや、紙でできたタグが付いているだけ
・パッケージや箱はついているものの、誰でも簡単に真似できるような雑なもの
・オリジナルブランドのロゴが入った透明のビニール袋に入っているだけ
比較的安価でできるのでこのような方法に逃げがちですが、安価で簡単というのは他の人にとっても同じこと。すぐに真似をされるようでは、とてもじゃないですが参入障壁とは呼べません。
手間かもしれませんが、このあたりの作りこみがライバルを排除できるかどうかに大きな影響を与えます。
②商標権を取得する(第35類では相乗り排除が困難)
商標権については、用語集に書いています。
商標権は、使われてるかどうかまでは自分で確認できる
最近は、良いサービスがかなりあります。
こちらのサイトから申請していれば、商標が使われてるかどうかを、
無料で調べてもらうことが出来ます。
おすすめとしては、商標を上記で調べてもらってから、
特許庁に申請を始めるとリーズナブルに済みます。
第35類ではなく、商品区分ごとに取得するのがベター
商標権を取得する上で、よく聞かれるのが
「第35類で取ればいいのですか?」という問い合わせです。
この第35類は、小売業全般や広告業、コンサルティング業など、
様々な業種で使われる便利な商標で、
「これだけ取っておけば手数料も安く済むので、35類を取れば良いか」
と思いがち。
しかし。
2019年現在、OBCの見解では、
「商標を取るだけでは、相乗り排除を不十分」とする可能性があるそうです。
ですので、しっかり区分ごとの商標を取る方が、安全だと言えるでしょう。
分からない部分があったら、積極的に弁理士へ聞こう
商標権の手続きそのものはあなた自身でも行うことは可能ですが、
法律に関する専門的な知識が必要ですので、
専門家である弁理士に任せることをオススメします。
あなたが法律に特別詳しいのであれば良いんですが、
そうでない場合には手続きは困難を極めます。
事前にあなたが確認すべきこと
商標権の手続きそのものは弁理士にお願いするにしても、
その前にあなたのオリジナルブランド名で
商標が取得できるかどうかは調べておきましょう。
調べ方は非常に簡単です。
登録情報を、特許情報プラットフォームというサイトで調べることができます。
このサイトで事前に商標の登録状況を確認した上で、商標権の取得を依頼するようにしましょう。(めんどうな場合はトレルを使いましょう)
せっかく販売が軌道に乗ってきたにも関わらず、
商標権が取得できないということになると、
ブランド名を決めるところからやり直す必要があり、
時間もお金もムダになってしまいますからね。
商標権取得の流れ
商標権の取得は、
大きく「①調査」「②出願」「③審査」「④登録」という
4つの段階に分かれます。
かかる日数は依頼した時期や弁理士によってまちまちではありますが、一般的に「③審査」だけでも通常約6ヶ月かかります。
取得にかかる費用は?
費用についても会社によって微妙に違います。一般的には①~④の段階ごとに少しずつ費用がかかり、全体では約10~20万円程度だとお考えください。
ですが商標権でカバーする商品の分類数や、有効な年数(5年か10年)によってもかかる費用は変わります。
参入障壁として有効ではありますが、OEM商品での売上や販売の目処がある程度立ってから取得するという認識で構いません。もちろん早く取得するのであれば、それに越したことはありませんが。
ライバルの相乗り出品を排除する方法
実際の操作方法
商標権を取得しているOEM商品に、ライバルが相乗り出品をしている場合には「知的財産権の侵害」として訴えることが可能です。
やり方はトップ画面の右下、「カスタマーサービスに連絡」をクリックし、
検索ボックスに「知的財産権」と入力して、「検索」をクリック。
「知的財産権侵害についての申し立てとその手続き」をクリックし、
「商標権または意匠権の侵害を報告」をクリックすると、
侵害を報告するページに進みます。
下にスクロールするとASIN、または製品URLを入力するところがあります。(ASINについてはこちらをご参照ください)
どちらかで検索すれば、このように相乗り出品している販売者が一覧で表示されますので、チェックを入れればまとめて侵害の申し立てができます。
商標権「だけ」では不十分
上記の方法で申告すれば、原則24時間以内に相乗り出品を排除することができますが、申告にあたっては一点気を付けることがあります。
それは「商品自体のオリジナル性が必須」ということ。
少なくとも、下記のいずれかを満たしている必要があります。
・オリジナルブランドのロゴが商品に入っている
・オリジナルブランドのロゴが入ったパッケージや箱が付いている
上記を満たしていないのに、商品カタログ内に商標権を掲載することは規約違反ですので、注意が必要です。
参入障壁を作る時の2つの注意点
オリジナル性と商標権があれば、相乗り出品の不安は相当軽減されますが、それでも注意すべき点が2つほどあります。
この2つを守れていないと、逆にあなたが規約違反を指摘されるというリスクがありますので、商品カタログを作る時には忘れずにチェックしましょう。
①商品カタログがAmazonの規約を守れているか
あなたの商品カタログが、そもそもAmazonの規約を守れているかどうかというのは1つのポイントになります。
特に見落としがちなのはメイン画像なんですが、Amazonで使うメイン画像についての規約は、下記の記事をご参照ください。
それと合わせて、あなたがもし商標権を主張して相乗り出品者を通報した場合には、「メイン画像にOEM商品だと判別できるロゴなどがある」ことが条件になります。
紙のタグでも良いんですが、アパレルなどでありがちなのは「あなたのオリジナルブランド以外の縫い付けタグが付いている」ということ。これは「ダブルブランド」になってしまうため、縫い付けのタグを付け直すか、縫い付けを外して紙のタグだけにするかという作業が必須です。
規約を守れていない場合は、不利になるのはあなたです。
②商品の説明や仕様などで「商標権」を主張しない
以前は商標権があるだけで、商品のオリジナル性に関係無く
相乗り出品者を追い出せていたこともありました。
ですがその影響で、ブランド名が違うだけで
全く同じ商品が急増したため、商標権+オリジナル性が必要になりました。
ただ、その頃を引きずっている販売者もいるようで、
「商標権があるので、相乗り出品禁止!」のような一文を
載せていたりしますが、この警告文章自体が規約違反になっています。
このような文言がある状態で相乗り出品者を通報すると、
あなたも同様に不利になります。
参入障壁を作ることは重要ですが、一歩間違えると痛い目に遭いますので、あくまでもAmazonの規約に則るということを忘れないようにしましょう。
まとめ(30秒で読みたい方はこちら)
・相乗り出品対策のために参入障壁は必須
・参入障壁は、①商品のオリジナル性を高める、②商標権を取得する、という2つを満たすことが理想
・オリジナル性は「相乗り出品者が尻込みする」レベルを目指す
・商標権は取得に時間がかかる
・商標権の主張で相乗り出品者を排除する場合、商品のオリジナル性は必須
・相乗り出品者を通報する前に、あなたがAmazonの規約を守れているかチェック
・商品の説明で「商標権」を主張しない
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