通販ビジネススタート時の「失敗」あるある3選
こんにちは、石山です。
通販ビジネスは、当たれば夢の高収益を手にできます。
画期的な商品と、手厚いサポートが出来れば、やらない手はありません。
・・・という営業トークに翻弄されて「やっておかない手はない!」と
通販ビジネスに着手する人が多いのです。
しかし、現実はECモール販売での状況と変わらず、厳しいものがあります。
「全く売れないし、リピーターがつかない!」
「赤字が続き、あっという間に資金ショート」という
最悪の結果に陥ってしまいます。
はい。
冒頭から、危険を煽るようなことを言ってしまってすみません。
しかし、最初からアクセルを踏めば踏むほどリスクも比例するので、
特に立ち上げ期は、慎重に知識を入れてもらえればと思います。
システムにお金を掛けすぎる
こちらの記事で、ショッピングカートASPの話をしましたが、
「ブランディングのためには見た目が大事ですよね!」
と思う人も少なくなくて、ネット上の魅せ方に全力投球してしまう
通販経営者も意外に多いのが現状です。
確かにそれは半分正しいです。
ですが、ネットショップそのものや、顧客管理システム、
マーケティングオートメーションなどは、売上に関係なく発生する
固定費の一つです。
固定費がかさむと、損益分岐点が高くなって、
利益が出にくい事業になってしまいます。
改善:固定費を極力抑える
初めから固定費をドカンとかけてしまって、
あとで必要になるプロモーションや仕入れのための資金が足りなくなる
ケースがあとを絶ちません。
1500万円の元手なのに、システムに400万円掛けてしまった。
肝心の商品開発費用や広告宣伝費、人件費にお金を回せない。。
なんてことにもなりかねません。
固定費には、売上や操業度合いに関わらず発生するもので、
- 設備の減価償却費
- 通信費
- 不動産の賃料
- サイト開発費
- 商品パンフレット制作費
- 化粧箱や梱包材の制作費
- システム運営管理費
- 広告宣伝費
- PR費
などがあります。
反対に、変動費用には、商品原価や受注費、発送費、資材費用、
決済手数料、販売促進費、そして人件費があります。
人件費も、社員さんに成果に応じた賞与が発生すると考えて、
ここでは大枠で変動費とさせていただいております。
これは、ECモールを運営している人にとっても、
事業計画の基本中の基本です。
固定費の負担が重いと動きが鈍くなって、
広告費用やテスト費用に影響が出て、なかなか利益が出ません。
広告宣伝費を除いた固定費は総予算の20%くらいに留めて、
利益の出やすいスリムな体質にしておきましょう。
マーケティングのリサーチとテストが不十分
顧客や商品、プロモーションなどについては、
仮説と検証を繰り返すテストマーケティングは、通販ビジネスの常識です。
特に新規事業の場合は、広告宣伝や商品販売のシミュレーションを行い、
どれだけ市場に評価されるか(売れてレビューが良いか)をみてから
本格展開に繋げるのが定石です。
自社ECで、右も左も分からない立ち上げ時期は、小規模のテストを続けて、
失敗を繰り返しながら勝率の高い方法を探していきましょう。
改善:テストマーケティングとドライテスト
私たちのような無名な会社が、通販ビジネスで稼ぐためには、
「ランチェスター戦略」しかありません。
・ここでしか買えない
・ここでしかケアが受けられない
・一番安い
・一番高い
といった、圧倒的な差別化を意識しながら、商品を企画開発します。
それによって、売上とリピーターが積み上がっていきます。
そして開発期間の最後が「テストマーケティング」です。
テストマーケティング期間は、3ヶ月〜半年間をめどに行います。
予約販売(購入予約)のような形で行なっている企業もあります。
オンラインのみで販売するなら、純広告や、広告代理店からのアクセスから
目標CPO( 1注文当たりにかかる費用)や目標MR(売上/広告費)を
達成できるかどうかをテストしていきます。
この数字を把握しておくことが大事です。
イメージしやすいのは、
一番、低コストで検証できて、なおかつ自社で行えるのは、
PPC広告(Google Adwardsなど)を10万円以下でテスト実施します。
ここで、5万円から10万円の広告費(ドライテスト)を掛けて、
売上金額がいくらになるかをテストするわけです。
この指標(売上/広告費)がMR(メディアレーション )と言いますし、
1人のお客さんを獲得した単価がCPOです。
10人、20人と獲得する中で、目標CPOを満たせるかどうかを、
モニターしていきましょう。
市場規模によって数字は前後するので、あくまで目安ですが、
- 100人以上の新規獲得が出来る
- 1000アクセス以上のアクセス
- 計画通りの利益回収可能な「目標MR」を達成できている
この条件を満たしたなら、売上利益最大化に向けて動きましょう。
オフラインも含めて販売するなら、雑誌、新聞、フリーペーパー、
折込チラシも加えます。
<参考>テストをする前に〜目標CPOや目標MRはどう考えたらいいのか?〜
CPOは分かった、MRも理解できた。
でも、がむしゃらにテストしてはいけません。
LTVを含めた、初回広告費の回収モデルと、
初年度の利益構造をシミュレーションをする中で、
以下の計画を立ててから、行なってください。
収益計画がない
前の「2つの失敗」と深く関係しているのがコレです。
テストマーケティングをしないと、
しっかりとした収益計画は出来ないし、
固定費をかけすぎる、という失敗が生まれます。
精度の高い収益計画があれば
「KPI(業績目標の達成度を定量的に把握する指標)」を正しく設計して、
事業が本格的にスタートした後も、順調に進んでいるかどうかを知り、
修正できるし、パニックに陥ることもありません。
初めて事業を立ち上げたり、あるいは大き組み直す時には、
次ページの表のようなシンプルな収益計画を立てましょう。
予想される顧客数や売上高、固定費用、変動費を入れると、
利益が導き出されます。
改善:KPIの管理をする(年間LTVが一番大事)
まず、こちらのような事業計画を通販ビジネスでも同様に作りましょう。
そして、次はKPIに関する理解です。
KPI(Key Performance Indicater)とは、
「業績目標の達成度を定量的に把握する指標」です。
KPIの中には、先ほども出てきたCPO、年間LTV(生涯顧客価値)
そしてMR(メディアレーション )、顧客区分別リピート率などがあります。
ですが、一番優先順位の高いKPIは、年間LTV(生涯顧客価値)と継続率です。
ちなみに年間LTVの算出方法は、
LTV = 購買数量 × 購買単価 × 継続購買回数
です。
資金力から逆算して、目標とする売上を決める。
そして、その目標売上を決めるために、
顧客あたりの年間LTVを設定する。
予測するのが難しいのなら、
上記のようなテストマーケティングの数値を参考にして、
もっと改善できることを見込んで、年間のLTV算出を計画してください。
そこから、CPOやMRを考えて、新規顧客獲得施策を進めましょう。
どれだけがむしゃらに頑張っても、
「事業が順調に拡大しているのかどうか」
「ボトルネックがどこにあるのか」
知ることが出来ません。
「1 にも 2にも利益構造計画から始める」ことを肝に命じてください。
まとめ
「ニーズのある商材 ×テストマーケティングの数 × 年間LTVの予測に基づくKPI設定」
が、通販事業で勝てる方程式だとお考えください。
Eマガでは、各項目に関しては、さらなる調査を続けていきます。